青の軌跡 勝手に外伝 2日間シリーズ ジェームズ編

「やっとわが軍でもモビルスーツが開発されんだ。これでザフトに反撃できるぞ。」

そんなことを言っているのはユーラシア連邦軍所属『ジェームズ・ハシェック』である。

このころの地球軍の状況は。地球軍もやっとMSを開発し、防御攻勢に出ようというところである。

ここはザフト軍との最前線であり、明日にMSを使用した中規模の作戦を展開しようというところだ。

いつもなら悲観的なのだが、モビルスーツが配備されているということが彼らの期待を大きくさせていた。

そして、今は彼の戦友たちと話していてMSの話題になったところである。

「でもよハシェック、お前はパイロットに選ばれてよかったな。」

「俺は戦車どころか自走砲だぜ。」

「私なんて武装ヘリコプターよ。」

「お前はよかったなぁ、モビルスーツのパイロットになれたうえ少尉に昇進だもんな。」

彼らはうらやましそうに言った。

彼らの言うとおりMSの配備数は少ない。

史実より開発が進んでいるとはいえこの部隊のモビルスーツの配備数はデュエルが2機、ストライクダガーが10機である。

もっとも、この時期でGATシリーズが2機あれば多いであろうが。

戦力としてはなかなかのものである。

彼は戦友たちをフォローする

「まあまあ、おれが選ばれたのは別に運がよかっただけさ。モビルスーツだけじゃ戦えないんだし。おれだってもとは戦車兵なんだ。おまえらを、弱いだのなん だの言ったりしないさ。」

彼らにそう言うと呼び出しがなった。気がつけばブリーフィングの時間になっていた。

「じゃ、そろそろ行くか」

そう言うと彼らはブリーフィングルームへ向かった。





前には士官が立っており、作戦の概要などを伝えている。

「・・・この作戦は、すぐに始まる防御攻勢の伏線であり、君たちの任務の重要性は高い!  戦闘の最初の一撃は、陸上巡洋艦によるミサイルを使用したものである。その後・・・」

長い説明が続くがほとんどのものが真剣に聞いている。

説明はザフト軍の予想される戦力に差し掛かる。

「ザフト軍の戦力はおそらくMS30機ほどだと考えられる。バグゥは配備されてはいないだろうが警戒を怠らないように。なるべくなら・・・」

ブリーフィングが終わると彼らはみな部屋に戻り、作戦に備え準備をし眠りについた」





翌日の朝方、地球軍の侵攻が始まった。目標はザフトの中規模の補給基地。

参加兵力はMS12機、戦車40両 航空機37機 陸上巡洋艦4隻 その他自走砲などである。

攻撃は陸上艦からのミサイル攻撃から始まった。

進行を察知していたザフトは迎撃を行ったが多少の被害が出た。

ザフト軍はモビルスーツを前進させる。戦車や戦闘機程度ならすぐに撃破出来ると判断したのである。

「敵モビルスーツ隊、前進してきます。数、ディン7機!ジン20機以上!」

「よし、戦車隊は森からでてくるな!モビルスーツから森に隠れた戦車を発見するのは難しい。自走砲も同じような行動を取らせよ!敵をなるべく引きつけるん だ!戦闘機はディンと戦わせろ。」

空中ではディンと戦闘機の戦闘がはじまった。

「くそ!ディンめ!強い。」

「攻撃を集中させろ!1対1じゃ勝てない!」

戦況は芳しく無かった。だが戦闘機隊も奮戦しており、機体の差を考えれば当然ともいえた。

戦車隊や自走砲は森に待機していた。幸いモビルスーツは森を見ずに陸上巡洋艦に向かっている。

「今すぐにでも敵を撃ちたいだろうが、モビルスーツ隊が出るまで待て。」

「気づくなよ、正面から戦ったら勝つのは難しいからな。」

ジンの持った対艦攻撃用の大型ミサイル『キャニス』が陸上巡洋艦スージーをかすめる。

「そろそろか、モビルスーツ隊発進させろ!」

ようやくモビルスーツ隊がでる。アレン大尉のデュエルを隊長としたモビルスーツ隊が動き出す。

「アレン大尉!デュエル発進する!」

「ハシェック少尉!ストライクダガー発進します。」

「ヴィルダース少尉。ストライクダガー出ます。」

ハシェックは訓練どうり前進させると前方にライフルを発射する。

「くそ!ジンめ!よくも今まで俺たちをコケにしてくれたな!」

しかし、距離がありジンにその攻撃があたることは無かった。それにアレンが注意する。

「少尉。この距離では当たらん!もっと接近するんだ!」

ハシェックは盾を構えて、がむしゃらに前に出た。未熟な動きだがそれはほかも同じだった。

MSは遠かったがザフトは動揺していた。連合のMSの情報はあったが、実際に見るのは初めてなのだ。

そしてジンの部隊に突然横から砲弾が降り注いだ。

森に隠れていた自走砲や戦車が撃ってきたのだ。

リニアガン・タンクの攻撃は当たれば一撃でジンを破壊してしまう。

さらに青紫色のリニア自走榴弾砲から強力な榴弾が降り注ぐ。

突然の出来事に4機ほどのジンが撃破されてしまった。

ジンは体制を立て直すとすぐに弾をよけるようになってきたが、前方からモビルスーツが迫ってきた。

「うおおぉぉぉ!」

ハシェックはビームライフルで足を損傷して動きが鈍っていたジンを撃った。

ビームの直撃を受けたジンが爆発四散する。

しかし、そんな状況でもジンは強かった。

前からビーム、横から砲弾が降り注ぐ状態でも正確な攻撃を仕掛けてくるのだ。

その光景を見て喜んだのもつかの間、ジンの放ったバズーカに僚機が撃破された。

「な、この状況で当ててくるのか!」

もしハシェックが同じ状況に立たされれば瞬く間に撃破されてしまうであろう。

コーディネイターの力量を見せ付けられる形となった。

さらには上空からディンが攻撃を仕掛けて来た。

それに戦車などが撃破されるが、森に隠れた機体を撃破するのは難しいようでダガーに攻撃をしてきた。

その攻撃にまた1機ダガーが撃破される。それにいらだつアレクが指示を出す。

「くそ!6番機と4番機は攻撃をディンに集中させろ!」

「了解!」

だがディンの動きは素早く、なかなか当たらなかった。

ディンの放った銃弾がアレクのデュエルに当たったが、PS装甲のデュエルには効果が無かった。

それに動揺したのかディンの動きが鈍ったところを、ハシェックは攻撃し落とした。

「どうだ!」

気づくと戦車隊がジンの退路をふさぎ、ジンの後方から砲撃をかけており、森からは引き続き自走砲が砲撃している。

さらには8連装ミサイルポッド2基を搭載した武装ヘリコプター隊がMSの援護に入ってきていた。

これは機体下部に2機の大型二重反転ローターを搭載した変わったタイプであり、空中から攻撃を仕掛けるのに適したタイプである。

「これは勝ったかもな。よし!また撃破。」

ヘリのミサイルにより、広範囲に爆発が生じる。

そしてそれをジンが回避したところを狙い撃破する。またあるジンはミサイルにつかまり、動きが鈍ったところを破壊された。

また、ディンは戦闘機隊の必死の迎撃により全滅していた。

そして、戦車がリニア砲で最後のジンを撃破した。

司令官がこれを見て指示を出す。

「よし、敵の補給基地を占領させよ。」

すでに敵に戦意は無く、基地はすぐに陥落した。





帰還すると、皆が勝利に沸いていた。中規模とはいえ久々の勝利なのだ、当然といえよう。

「やれやれ、今回は生き延びたか。モビルスーツも補給が来てるし、これからどんどん反攻してすぐに勝てるかもな」

「おいおい、それは楽観視しすぎだろう。敵も新型を投入してくるし。水中戦闘可能な機体もないんだぞ。」

「まあな、でもさあ、久々の勝ちくらい楽しませてくれよ。」







ハシェックは部屋に戻ると、テレビを見た。

ただそれは、戦況や経済を見るためではない。

人気アニメ、フランチェスカ・パウジーニの一喜一憂を見るためである。

「間に合った間に合った。ヒロインのパウジーニの電波っぷりがたまらんのだよなー。主人公のアドルフもいい味でてるし。さすが作者が本場(日本地域)出身 のことだけはあるな。個人的には姉属性の下級生がつぼ。無表情図書部員も捨てがたいけど。しかし、早くブリュッセル取り戻さないと即売会参加できないから な。そのためにも頑張らなきゃな。」

彼は妙なところでやる気を蓄えてはいたが、そこへんは本人の自由だ。

彼は疲れた体を休めるため、ベッドに入った。彼の長い2日間が終わろうとしていた・・・






あとがき

岸下です。

どうでしょうか?少しは読める文になっているでしょうか?

今度は戦闘シーンをやってみました。今見ると地球軍の被害が少ないことが気になりますが。

それと、中規模とかありますが、あまり詳しくないのでもしかしたら大きいかもしれません。

おかしいところがあればぜひ指摘してください。

美少女分は次回で補充されます。次は宇宙が舞台です。

ではでは、勝手に外伝4でお会いしましょう。


管理人earthの感想

今までの苦戦の鬱憤を晴らすかのごとく活躍していますね。ユーラシア連邦軍。

本編ではいいところがあまりなかった彼らですから、ぜひとも頑張ってもらいたいですね。

それにしても、この時代でアニメ、さらに即売会ってやっているんでしょうか……。